『君についていこう 上・下』 向井 万起夫 著 講談社+α文庫
宇宙飛行士・向井千秋さんのだんなさまが書かれたエッセイです。
テレビでもよくインタビューされていましたが、画面の印象ではいつも向井さんの事を遠くの方から、微笑んで見守るやさしいご主人・・・。
「ああ、宇宙飛行士になることを理解する、やさしいほんわかした方なんだろうな」と思っていましたが。いえいえ、向井氏は実はとんでもなく茶目っ気たっぷりの「江戸っ子」気質。加えて、向井千秋さんに「千秋ちゃんが宇宙飛行士になれなくたって僕が面倒みるからさ」的な発言やら何やらで、「何もわかってないのね」と彼女に寂しい目で見られたりもするのです。
なーんだ、普通の人じゃん(普通でもないのですが・・・)。
上巻は向井さんと千秋さんの出会いから、結婚、彼女が宇宙飛行士になり、いよいよスペースシャトルに乗り込むことが決まるまで。
下巻は宇宙飛行士はどのような訓練・準備をして、彼らの家族はどう過ごしているのかを綴っています。宇宙飛行士ってどうやってなるのかみなさん知ってました?
それから、宇宙飛行士になったからといって、イコール必ずすぐに宇宙に出るわけではないこと(ちなみに向井千秋さんは9年もたってから!)、NASAに「親族」として扱われるのは、配偶者や子供・婚約者(彼か彼女:ステディってやつですね)などであって、実は両親は含まれないこと(友人などと同じ扱い)、宇宙飛行士の訓練といえば、まるで軍隊の訓練か!と想像しがちだけれど、実は非常にフランクな雰囲気−もちろん、皆冷静で的確な判断をするのだけれど−で、意欲的に行われることなどなど、向井千秋さんの夫でなければ、宇宙飛行士の家族でなければ経験できない事が盛りだくさんに語られています。軽快なタッチで語られる(ちょっと皮肉屋さんだけど)このエッセイ、なかなか楽しく読み終えました。
それにしても、このご夫婦。
お互い「ちあきちゃん」「まきおちゃん」と呼び合っているところが、妙にかわいらしくて、素敵(笑)。