『長崎ルパン物語』    木村  晋介 著     角川文庫

 TVなどでもお馴染みの、弁護士の木村氏の弁護士修習生時代中心のエッセイです。椎名誠氏の「あやしい探検隊」シリーズの愛読者の方にも有名ですね。

 「弁護士」になるには・・・のHOW TO本や、現代の事件を切る!なんて内容の本はいろいろあっても、国家試験をパスし晴れて弁護士としての仕事をするまでの「修習生」の時代に、どんなことをするのか何を学んでいるのか?ってなかなか知る機会もないと思います。

 この修習生の時期には、弁護士・検察官・裁判官とそれぞれの実務について勉強し、これを終えた後にそれぞれどのコースを進むのか決めます。

 木村氏は初めから弁護士をめざしていたようですが、どんなことを実際にし、またその頃ともに学んだ友人たちとの交友を含め、大変面白く読めます。

 ちなみに、穏やかそうなお顔だちの木村氏ですが検察官の下での実習の際には「どうしても法律家として納得はできない」という業務にかんしては、断固遂行しなかったという勇ましいエピソードもあります。

 この「業務」については、読んで頂いた方が・・・。私もある意味、それは問題なんじゃないかなあ・・・と感じました。

 私自身、これまで生きてきた中で「弁護士」さんと出合う機会がありました。

 人間的にも素晴らしい方だったので法律通り・・・というガチガチしたアドバイスでなく、今後のメンタルな部分まで考えて助けていただいたという経験があります。

 もちろんどんな職業人にもいえることですが、弁護士であっても人間的に未熟な人もきっといるでしょう。

 でもこのエッセイを読んでいると「日本の弁護士さんってなかなか頼れる存在かな」と頼もしくなりますね。

 「弁護士」の仕事に興味があろうとなかろうと、「読み物」としてもナイスです。文庫本ですので、バスや電車のお供にもいいかもしれません。

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