『銀月譜』 菊地 秀行 著 双葉社
伝奇物で(?)おなじみの菊地氏の、ちょっとコミカルな一冊。腰巻きに弱いTORIですが、これもやはり「伝奇小説の奇才が拓く新境地!」のキャッチにひかれて買ってしまいました。
原口蒼(あおい)は、夫の静一とともに新婚旅行から、これから同居する静一の実家「奈月家」へ帰ってきます。
ちゃきちゃきの江戸っ子でポジティブな蒼は、「きっとうまくやれる」と元気よく家族にむかっていきます。
優しくて物静かで美しい義母の綾、図書館に勤める、蒼が憧憬してやまない義姉の志保、口を開けば憎まれ口ばかりの義妹・小夜子、やんちゃな義弟一馬、そして決して離れから姿を見せない祖母の宮。
小夜子を除いては、みな、蒼と仲良く接してくれます。静一も文句のつけようがないくらいやさしい。
でも、何だか変なのです。とっても違和感のある奈月家・・・。
食事をちっとも美味しそうにとらないし(決してまずいわけではない)、何よりも異様に祖母の「宮」をおそれています。
初めは、「単なる考えすぎ」と構えていた蒼ですが、次第に奈月家の秘密が明らかになってきます。
奈月家っていったい何者なのか?蒼の運命は??
さすが菊地氏。やっぱり、普通の人間はでてきません(ネタバレ?)。でも、いつものあのオドロオドロのグチャグチャというグロテスクな場面もないし、ちっとも笑わないエスパーもでてこない。
蒼のちゃきちゃきぶりは気分も爽快!
今まで「菊地作品はホラー入っているから・・・」と敬遠気味だった方でも大丈夫。夜寝る前に読んでもOK本です。