『邪馬台国はどこですか?』 鯨 統一郎 著 創元推理文庫
「なんかないかなあ・・・」とお気に入りの京都の「ジュンク堂書店」に出かけていたところ、腰巻きのひとことがあまりにもナイスだったので勢いで購入。当たりでした!
ちなみに腰巻きのキャッチ。
「九州?畿内?そんなところにあるもんか!!」
これが、わたしには「んなとこに、あるかい!」と関西弁のつっこみのテンポで響いてきたのです。うまいなあ・・・、やられたなあ・・・、としびれた頭でレジに直行しました。
さて、内容としては短編6作が納められています。
表題の「邪馬台国はどこですか?」をはじめ
「悟りを開いたのはいつですか?」「聖徳太子はだれですか?」
「謀反の動機はなんですか?」「維新が起きたのはなぜですか?」
「奇跡はどのようになされたのですか?」の6作。
とあるバーが舞台。バーテンダーの松永、某私立大学の文学部教授の三谷、その助手で「世界史」という史学の中で新しいジャンルを築き、その美貌でマスコミにも取り上げられている静香、そして、何をやっているのか今一つよく分からないが常連の宮田六郎の4人がカウンターで繰り広げる歴史ミステリ談義ってところでしょうか。
歴史に関しては、プロフェッショナルでもある静香と、ひょうひょうとしていながら一見「突飛」している持論をもちかけ、最後には静香をぎゃふん(死語)と言わせてしまう宮田とのトークバトルが中心。
「何言ってんの、宮田君」と最初は思うのですが、その謎解きを読んでいくと何だか「真実はそれかも・・・」という気がしてくるから、面白い。
歴史ミステリってちょっとマニア的なものが多くて、詳しい一部の人でないと「なに言ってるのか、よくわからん」ともう一つ受け入れがたい作品が多いんですが、誰でもよく知っている出来事と、宮田の、常識がぶっ飛んでしまうような論説(でも、最後には妙に納得させられちゃう)にグイッと引き込まれ、まるで自分もそのバーのカウンターで4人の会話を聞いているみたいな気になってきます。 上手い。
ミステリってこういうのもありだなあ・・・と、久々に楽しく読みました。
私的には「買い」です。
歴史好きの方には「ちょっと待ったーー!」と思うところがあるでしょうがそこもまた巧さかもしれません。ご一読を。