『重耳』 上・中・下巻   宮城谷 昌光 著  講談社文庫

 ベストセラーにもなりましたね。

 ハードカバーではなかなか手に入れにくくって(高い!)、文庫化されようやく読むことができました。

 中国の春秋時代の名君、「重耳(ちょうじ)」の物語です。

 上巻では、重耳の祖父であり、黄土高原の小国曲沃の君主「称」が、首都の翼を攻め落とし「晋」を統一するまでを中心に描かれていて主人公は「称」ですね、完全に。

 また、中巻は兄弟の中で一番目立つことのなかった重耳が次第に称や周りの人間に認められ始めるが、称の死後、君主となったが絶世の美女「驪妃」に溺れて彼女の奸計にはまって息子達を殺そうとする「詭諸(称の息子・重耳の父)」によって、晋から逃げ出すまでが書かれています。やっと統一できた国の内乱ですね。

 そして、下巻。

 詭諸が死に、驪妃らが殺害され、やっと晋の内乱も静まった頃、重耳の弟で、不徳の「夷吾」が君主の椅子にあっという間に納まるが、その暴君ぶりに国内外から、重耳の帰国が望まれます。刺客からも逃れながらようやく重耳は長い放浪を終え、その人望で晋国に帰り、そして中国全土の覇者となります。

 あらすじだけ追ってしまうとさっぱりしたものですが(笑)、称の名君ぶり重耳の成長と大陸放浪の苦悩、また各国の外相の駆け引き、悪女の登場etc...。やっぱり中国モノは面白い!

 登場人物の名前や国名が、頭の中にインプットされるまでは少々大変なんですが(私はそうです)、そこをクリアすると一気に読めます!

 やはりさすがは「中国4000年」なのです!!

 ちなみに、主人公は「重耳」ですが、私は重耳よりも「称」のほうが印象深く残っています。あれれ?

←戻る