『湖畔 (久生十蘭全集 (第2巻)より)』  久生 十蘭 著  三一書房

 久生 十蘭をご存じの方って、割と少ないかも・・・。

 何をかくそう私自身も、大学のゼミで取り上げられるまで、恥ずかしながら、全然知りませんでした(笑)。 一応、日本文学科・・・。(^^;

 推理小説・犯罪小説・歴史物・恋愛モノ・実録物etc...、いろいろなジャンルの作品を残し、世界短編小説コンクール1位、直木賞受賞など輝かしい軌跡を残しています。 でも、なぜかマイナー。

 多くの作品を世に発表し、昭和33年に55歳で亡くなっています。私自身もそう思うのですが、中でも短編が秀逸です。

 『湖畔』はその代表作ですので、初めて読む方はこちらからどうぞ。

 物語は、主人公が自分の2歳になる息子に宛てた手紙・・・という設定で書かれています。物語はこう始まります。

「この夏、拠所ない事情があって、箱根芦ノ湖畔三ツ石の別荘で貴様の母を手にかけ、即日、東京検事局に自訴して出た。」

 主人公は、裕福な家庭に生まれながらも、その狷介な容貌のため、周囲の愛情を感じ得ることなく生きてきたが、自分の容姿に臆することなく話しかけてきた愛らしい少女に惹かれ間もなく結婚。

 しかし、自分をさらけ出すことのない主人公は、妻を溺愛しているにも関わらず、教養・作法を厳しくたたき込みます。

 産後、体調を崩した妻を別荘にやって長く見舞わなかった主人公は、ある時、ふいに尋ねてみるのですが、そこで見た物は下賤な面構えをした男女5人ほどが屋敷にたむろっている風景と、妻の密通でした。

 体裁を気にした主人公は、妻の首に手をかけるのですが・・・。

 この続きは、皆さんで確認してみて下さい。(ネタばらしはしません)

 ちなみに、この頃大きな本屋さんなどで、十蘭の全集なんかを見かけるようになりましたので、探してみては?

 たしか、文庫本でも出たはずです(記憶があやふやですが・・・)。

 もしくは、図書館などで是非どうぞ。


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