『「中国人」になった私』 松本 トモ 著 PHP研究所
「中国人」になった私・・・・・・。夫の顔を見ながら、姑のグチを聞きながら、街行く人々を眺めながら、心の中で反芻するうち、なんだか愛着が湧いてきた。不思議なものだ。いいじゃないか。
(はじめにより)
児童文学作家・日本語教師と二足のわらじを履き、中国人であるだんなさんと共に、現在は中国の杭州で生活されている松本氏のエッセイです。
中国での7年間の生活のなかで、ご主人との結婚について、中国人の考え方・感じ方、街の風景などが、松本氏の目を通して、楽しげに書かれています。
私は個人的に、中国や韓国などのお隣の国々に興味があるので、この手の本を見つけると、75%の確率でまず買ってしまいます(笑)。
多少の骨格の違いはあるにせよ、外見はほとんど変わらないし、地理的にもこんなに近い国なのに、価値観や人々の考え方・接し方は全く違います。
この本もそうですが、「あ、こんな時に、こんな見方するんだ」「この辺は似てるかな」等々、新しい発見はいろいろです。
これは何も「外国と日本」という構図の中だけでなく、日本国内でもそうですよね。
「単一民族国家」なんて言われてますけど、厳密には「大和」「アイヌ」「琉球」と大きく分かれてますし、都市部と地方だって考え方に多少の違いがあります。ついつい忘れて「こう思うのが当たり前」的な感情を持ったりしたことは、誰もが一度はあると思います。
「中国の人って、〇〇だよね」なんて言葉が出る前に、それは自分のまわりだけの価値観ではないのか、本当に相手を理解した上で言っている言葉なのかを少し考えてみるだけで、きっとその人の国際人化は大きく進むんじゃないかなあと考えてしまいました。
偉そうな事を書いちゃいましたが、この本はエッセイですのでそんな内容は書いてありません(笑)。
氏は日本語教師でもあるので、文体も読みやすくまた、面白おかしく書いてあるので、あまり本を読まない人でも大丈夫でしょう。
ちなみに私の印象に残っているところ・・・。
日本語の授業で、氏が
「あなたの長所はどんなところ?」
と尋ねるとクラスの半分以上の学生が胸を張って、
「自信のあるところです」
と答えた場面。
わたしも、「自信のある」人間になりたいもんです。