『ニホンゴキトク』 久世 光彦(くぜ てるひこ)著  講談社

 少し前に読んだものですが、密かに売れ続けている本ですのでご存じの方も多いのでは?

久世氏はTVの脚本家としても有名な方ですね、「時間ですよ」とか。

 「週刊現代」に1年ほど連載されていたものをまとめたようですが、氏が思う「言葉」についてのエッセイです。

 まあ、私も含めて近年まともに「ちゃんとした日本語」って自信をもって使えないですよね−。私は、国語に関係する団体の職員をしているので、日々ドキドキでお手紙書いたり、お話ししたりしているのですが、意外と「あってるようで間違って」使っている言葉って多いんです。この書にもあるのですが、

  「お電話いたします」「ご連絡いたします」。

 みなさん、使ってませんか?(大丈夫かな)

 使ってなくても、このフレ−ズって日常ものすごく耳にしますよね?

 でも、これって自分に「敬語」使ってることになるんです。「お」要らないんですよね。

 思わず「ハッ」とすること、素敵な日本語あれこれ、などなど盛りだくさんですので、寝る前の1冊にいかがでしょうか?

 ちなみに、私はしばらく電話恐怖症になりました(笑)。 あしからず。

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『今はもうない』 森 博嗣 著  講談社

今月の新刊です。ファンの方も多いのではないでしょうか?

「犀川 創平助教授&西之園 萌絵」シリーズの最新刊、

『すべてがFになる』から数えて、8作目(短編集いれると9作目ですね)となります。

 ミステリーです。とにかくトリックも良いのですが、主人公2人をはじめとする登場人物の生き生きしていること!私はすっかりハマッています。

 今回はとにかく「あ!やられた」って感じです。

 ネタばらしは御法度なので書きませんけど、読後は思わず「ニヤリ」としてしまいました。(読んだ方、そう思いませんか?)

 作者の森先生自身が、某国立N大の工学部助教授ですので、「理系ミステリー」とかいわれる方もいるようです。登場人物もそうですしね。

 私自身はバリバリの文系人間ですので、読む度に「生まれ変わったら理数系に強い人間になってやる!」と夢見ちゃいます。

 森ミステリーを未読の方、是非ご一読を。

でも、読むときはいきなりこの最新刊から読まないで下さいね。1作目から順番に読んで下さい!(宣伝マンです)

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『地名の由来を知る事典』 武光 誠著 東京堂出版

 皆さんはご自分の住んでいる場所が「何故、こんな名前になったのか」と疑問に思った事ってないですか?

 私は仕事上、全国の方とお話しする機会が多いために、変わった地名や、遠く離れているのに同じ地名を見つけたりすると 「なんで?」 とついつい考えてしまいます。

 本書の目次から、各項の題目を拾ってみましょう。

●地名から歴史が見えてくる

●もっとも多い地形による地名

●古代の豪族や官制による地名

●農業と交通に関する地名

●信仰から生まれた地名

●荘園制と中性の地名

●幕藩制と近世の地名

●沖縄方言の地名

●新しく作られた地名

 各項とも、簡潔かつ読みやすくまとめられていますので、寝る前の読み物・話の種・学生さんのレポートネタ等々、使い道も色々です。

 目次の項目の中から1つご紹介しましょう。

●北海道とアイヌ語の地名

 北海道は元はアイヌ民族が生活する聖なる地域だったわけですよね。やはり、地名にはそういった「アイヌ」の歴史が刻まれているようです。

 例えば北海道には「〇別」という地名が多く見られますが、(芦別市、紋別市など)、この「別」はアイヌ語の「ペツ=川」という言葉からきているそうです。

 芦別は「アシュ・ペツ=深く険しい川」、紋別は「モ・ペツ=流れの静かな川」というアイヌ語が元になってできた地名なんですって。

 地図やガイドブックをみると、「ああ、北海道っぽいなあ」と思える地名は他に沢山ありますけど、室蘭市・旭川市・帯広市といった一見アイヌ語とは無関係にみえる地名にも、語源にアイヌの言葉が関わっていることが読むとわかります。

 ちなみに「札幌」は、アイヌ語で「サッ・ポロ・ペツ=乾いた大きな川」となり、これが北海道開拓の時にもとの地名に漢字をあてた折りに「ペツ」が落ちて「サッポロ」となったようです。

 こうやって、地名ひとつとってみてもその背後には歴史があり、文化があり、人があるわけです。

 「今、住んでるここは何故こんな名前をもっているんだろう」と考えてみるきっかけとして、読んでみてはいかがでしょうか?

 ちなみに、この「地名研究」という分野は著者いわく「まだほとんど手つかずの状態」とか・・・。

 自分の足下ってなかなか「何故だろう」って考えない場所なのかもしれませんね。

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