光合成のタンパク質の構造を見てみよう

 光合成細菌の酵素である光反応中心および光収穫系タンパク質は分子レベルでの構造解析がごく最近なされました。下に光合成タンパク質の光収穫系タンパク質および光反応中心のX線構造解析図を示しました。

光収穫系タンパク質

これは光合成細菌R. Acidophilaの光収穫系タンパク質です。

[G. McDermott, S. M. Prince, A. A. Freer, A. M. Hawthornthwaite-Lawless, M. Z. Papiz, R. J. Cogdell, and N. W. Isaacs, Nature, 374, 517-521 (1995).]

黒のコイル状のものが光収穫系ポリペプチドと言われるアミノ酸残基が60個 つながったものです。 パープルの部分が800 nmに吸収をもつバクテリオクロロフィルです。 グリーンの部分が850 nmに吸収を持つバクテリオクロロフィルです。 このタンパク質はバクテリオクロロフィル部分で光を吸収し光反応中心に送ります。 この光の転送は非常に速く色素間のエネルギー移動は200 ps程度と言われています。

色素部分の図はこちら

 光収穫系タンパク質の

    構造と色素との結合について知りたいときはこちら。

    アミノ酸配列について知りたいときはこちら。

    分光学的性質と機能について知りたいときはこちら 光反応中心
 

左に示してあるのが光合成細菌R. sphaeroidesの光反応中心のタンパク質部分です。

右に示してあるのがバクテリオクロロフィル などの色素の配置で、色素全体はすっぽりとタンパク質に包まれています。クリックすると90度回転した図が見られます。

この光反応中心では集められた光の最終地点として光を電子に変換します。右の図のバクテリオクロロフィルの二枚会合した部分で電荷分離が起き、電子は右側の経路のみを通って右側のキノンに達し、そして左側のキノンに移ります。この左側のキノンは光反応中心からでてサイトクロームなどの電子伝達タンパク質に電子を渡します。

電子は光合成膜を貫いて移動し膜を介して電位差を持ちます。この電子はサイトクロームbc1などの電子伝達タンパク質により膜の反対側にはこばれ、このときサイトクロームbc1はプロトンを同時に運搬します。この運ばれたプロトンによるpH差がATP合成酵素のATP合成のドライビングフォースになります。

 光反応中心について詳しく知りたいときはこちら(工事中)。

 このように紅色光合成細菌の光合成タンパク質には光収穫系タンパク質と光反応中心があり、それぞれ、光を効率的に集めること、およびその光で光電変換しているのです。

光反応中心の図は3次元表示プログラムRasMolおよびPDBのデータより作成しました。

日本語でのタンパク質の3次元構造の詳しい解説はこちら(大阪医科大学の岡本先生のサイト)です。

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