1.光合成はどのようなものでしょうか?

 下のイラストにもありますように光合成とは光すなわち太陽エネルギーを植物が水と二酸化炭素をともに用いて、 糖と酸素に変換している反応のことです。

この反応式、すなわち、


二酸化炭素+水------------>糖+酸素  

は我々にとって重要な意味を持つ反応です。例として二つあげまし ょう。

 一つ目はこの反応は人間を含めた全生物のエネルギーを産出している反応 であるということです。植物は光合成によって二酸化炭素と水から糖と酸素をつくり出します。この糖は植物を形成すると共に貯えられます。植物の光合成活動により動物や昆虫のえさが出来ます。そして、この小動物を食用とする 動物がいます。動物や我々人間の細胞は糖を酸素によって二酸化炭素と水に分解しているのです。

 このように光合成過程は食物連鎖のいわばエネルギー注入点になっているわけです。食物連鎖では光合成以外のステップではエネルギーをすてエントロピーを増大させながらサイクルをまわしているのです。すなわち、このエネルギーがなければ我々は生きていけないのです。

 近年このエネル ギー注入点での化学反応は半導体シリコンによる太陽電池と似た原理になっていることがわかりました。とはいえ、片やタンパク質、片や無機半導体です。似ている点もあれば異なる点もあります。このwebではその分子メカニズムについて述べるつもりです。

 二つ目地球環境や進化に関係あることです。この反応は太古の地球の原始大気に大量に含まれていた二酸化炭素を消費し減少させました。そして酸素をつくり出したのです。

 二酸化炭素による地球温暖化が現在問題になっています。これはちょうどその逆です。地球にはかつて二酸化炭素が豊富だったために気温が高く、厚く雲に被われていたと考えられています。ただし、オゾン層が形成されておらず紫外線が地表まで降り注いでいたでしょう。

40億年前から35億年前には...

最古のバクテリアは80−90度といったところで生育していることからも推定されていますが、生命はこの熱い地球で誕生したようなのです。

27億年前には...

その後徐々に酸素発生型の光合成器官を獲得し、地球上の大気は酸素を含むようになるとともに気温は下がってきました。

このように生命の誕生と光合成の進化は地球環境そのものをドラスティックに変えてきました。

 

 このように重要な光合成。

 今日では環境とのからみでさかんに議論されていますが、私はそれらを網羅できるわけもないのですこしづつ記述していきます。

 この生命、そして光合成の器官。いったいどのように光合成を可能にしているのでしょうか?

 ここ10年のあいだに光合成生物がどのように光をうけとり、どのように光を 光合成に利用してきたかが分子レベルでわかってきました。特に光合成細菌の光 合成システムがよくわかっているので連載でそれについて述べていきたいと思います。

第一回おわり

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