Nakoのヴェズレー紀行


 私がヴェズレーを訪れたのは1992年の初夏のこと。

 ブルゴーニュにある料理学校の1週間のサマースクールに参加したとき、小さなバスで行きました。

  途中、延々と続く畑の脇に流れる小川に、柳が枝を垂れ、影を映した水面に7月の太陽の光線が霧のようなヴェールをかけていました。

  ヴェズレーの丘の上にそびえる聖マドレーヌ寺院には、言葉ではうまく言い表せないけれど、強く惹かれるものがありました。そして丘を少し離れ、遠くから見るその姿もとても神々しいのです。

 道を隔てたところにある、薄暗いカフェでコーヒーを飲んで中を見学して坂を下っただけなんですが、私はこの丘と、その周りの空気が、ものすごく気に入りました。

 時間の流れが心地よくゆったりとしていて、とても自然に生きられそうな気がして、ここに住んでみたいと思いました。


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