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2003年12月21日
ベルクのバイオリン協奏曲
今日は共同研究先の大学のゼミの忘年会。その帰りに酔っぱらいながら、ベルクのバイオリン協奏曲を選択。渡辺さんとシノーポリさんの演奏。
ややアップテンポなスピードで、中低域をかなりシノーポリさんが盛り上げる感じ。
この曲を聴くとベルクは真剣に12音のある可能性を追求したと、感じられる。12音で安らかな表情を表出できたのはベルクだけ、しかもこの曲だけと、いえないだろうか。
そんなのは当たり前さ、これはレクイエムなんだから。
そう、それはたしかに。
しかし、シェーンベルクは「ワルシャワの生き残り」ではレクイエムの表情を一瞬たりとも見せずに、徹底的に恐怖を表出した。そもそもレクイエム的な安らぎなど眼中になかった。
と私は思う。
安らぎは今の時代のあまりに安易な合い言葉ではある。
しかし、このような表現の可能性がたとえロマン派の残照、と批判されながらも12音の徹底的な考察、これが実は厳密な12音ではないとしても(それならシェーンベルクだってそうだ。)、12音による表現様式で多彩な音楽をつくれる証明だと思う。
12音に足りない(かった)のは明朗で、うきうきするような音楽がうまれなかったことだ。時代がそうさせなかったのか。シェーンベルクのOp. 24~29あたりではアイロニーのある楽しさで、うきうきする音楽ではない。
ベルクだってルルの研ぎすまされた音響と人生への省察を追求した。ルルは「美しい」といえる。ただし私には恐怖でもある。転落する人生を送りたくない。幸せの裏返しに不幸へのささやきが隠れている。
ベルクのバイオリン協奏曲の出だしと終楽章の美しさ、はかなさ、バッハ譲りのコラール。真の傑作である。
投稿者 iida : 2003年12月21日 00:14
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トラックバック時刻: 2005年01月17日 17:37
コメント
iidaさんへ:
>しかし、シェーンベルクは「ワルシャワの生き残り」ではレクイエムの表情を一瞬たりとも見せずに、徹底的に恐怖を表出した。そもそもレクイエム的な安らぎなど眼中になかった。
そうかもしれません。あくまで私見ですが、ですから、アバド&VPO盤では、この曲の後に、バッハ&ウェーベルンの「リチェルカーレ」をカップリングさせたのではないのでしょうか。つまり「ワルシャワ」の容赦ない告発の後に、「レクイエム的な安らぎ」あるいは「人類の大いなる愚行への浄化・救済」というものを補おうとしたのかと、勝手に思っています。
ところで「新ウィーン楽派の愉しみ」の方では、ご存じの通り、フランドル楽派のことについてTAKINさんと意見交換しておりますが、iidaさんも何か情報がおありであれば嬉しいです(CDの簡単な感想でも結構です)。
投稿者 ふてん : 2003年12月22日 07:39
アバドの演奏のコメントありがとうございます。私はそのCDまだ入手していないのです。機会があれば是非。
フランドル楽派についてはほとんど知りません。すいません。中世音楽は片一方でロマネスクやってるのにあまり知らないのです。
中世関連のCD::
中世への旅 多声音楽・ノートルダム楽派、アルス・ノヴァ/Harmonia mundi
The black madonna / NAXOS
Alfonso X el Sabio/J. Savall/Astrée
ゴシック期の音楽(抜粋)/デヴィッドマンロウ
十字軍の音楽/同
あたりです。参考にならなくてすいません。
投稿者 iida : 2003年12月23日 00:01
TBさせていただいたaf_blogのfuRuです。
>出だしと終楽章の美しさ、はかなさ、バッハ譲りのコラール。真の傑作である。
まさにその通り!と思って読んでしまいました。
投稿者 fuRu : 2005年01月18日 11:53