« 4−5.【声楽曲】 | メイン | 5−3.【声楽曲&協奏曲】 »

2003年10月23日

5−2.【室内楽曲&器楽曲】

・「弦楽四重奏のための作品全集」(DG POCG 1865)

《弦楽四重奏のための緩叙楽章 (1905)》,OP5,《弦楽四重奏曲(1905)》,OP9,《弦楽四重奏のためのロンド (1906)》,《弦楽三重奏のための楽章 (1925)》,《弦楽四重奏のための3つの小品 (1913)》,OP20,OP28

エマーソンSQ他

選曲は弦楽のための室内楽の1枚物としては100点満点である。録音も非常に良い。曲の収録順は作品番号のあるものは年代順であるが、間に入ってる作品番号のない曲は必ずしもそうではない点が惜しいと思う。しかし収録順に聴いていくと聴き疲れしない。

演奏については、シャープかつダイナミック、それでいて細かなニュアンスにも欠けていない血の通った演奏である。1曲目の《弦楽四重奏のための緩叙楽章》の後期ロマン派の世界から、最後の《弦楽四重奏曲 OP28》の十二音の世界までたっぷりと味わえる。Buy it ! Buy it !

・「弦楽四重奏作品全集」(MONTAIGNE IDC 6110)

OP5,OP9,OP20,OP28,《弦楽四重奏のための緩叙楽章 (1905)》,《弦楽四重奏曲(1905)》,《弦楽四重奏のためのロンド (1906)》,《弦楽三重奏のための楽章 (1925)》

アルディッティSQ

エマーソンSQと比べると《弦楽三重奏のための3つの小品》が1曲少ないが、主要曲は全部入っている。

演奏については、前衛から見たウェーベルンというか、極めて歯切れのいい演奏である。細かなニュアンスを求める向きにはちょっとキツイかもしれないが、これが最も現代的な解釈だと思う。

・「新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲全集」(DG POCG 3146-3149)

OP5,OP9,《弦楽四重奏曲(1905)》,OP28

ラサールQ

新ウィーン楽派の弦楽四重奏曲が4枚のCDに集録されており、そのいずれもが極めて高い水準で演奏されている。彼らは、演奏する前に楽譜を自ら写し、徹底的に練習して録音に臨んだという。新ウィーン楽派に対する共感という面では筆頭に挙げべきもの。

演奏については、今となってはダイナミック、シャープさはエマーソンSQに一歩譲る。しかし、やや細みであるがアンサンブルは完璧、また各声部のバランスが良いため、各声部の動きが非常によくわかる。この手の音楽を聴くには絶好のCDである。新ウィーン楽派の室内楽に興味を持ったら、是非とも手元に置きたい。

なお、このCDに未収録の《弦楽四重奏のためのロンド》、OP20等4曲を収めた別のCD(DG POCG-3151)もある。

・「20世紀の弦楽四重奏曲集」(TELDEC WPCS 4895)

OP6,OP9,OP28

アルバン・ベルクQ

旧メンバーによる20年以上前の録音であるが、今も輝きを失っていない。それだけに収録曲が少ないことが残念である。

演奏については、ラサール弦楽四重奏団と比べると、こちらの方がやや線が太く、音色も豊かである。欲を言えば、未収録曲も含めて新録音を期待したい。

その他に弦楽四重奏の作品が数曲収められているCDとして、イタリアQ、ゲウァントハウスQ、ウィーン・アルティスQ等があるが、上記のCDで十分だと思う。

弦楽以外の室内楽として、

・「新ウィーン楽派の室内楽作品集」(DG POCG 1954)

OP7,《チェロとピアノのための2つの小品 (1899)》,OP11,《チェロ・ソナタ (1914)》

クラメラータ・ムジカ(クレーメル(Vn),マイヤー(Cl),マイセンベルク(Pf)他)

これには弦楽三重奏、四重奏以外の室内楽曲が4曲収められているが、これでしか聴けないものもあり貴重である。クレーメルの意外性のある選曲にはいつも感心する。マーラー、シェーンベルク、ベルクのあまり聴く機会のない曲も併録されており、そういった面でもお推めの1枚。

演奏については、後述のタッシ盤との比較になるが《ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 OP7》、《チェロとピアノのための3つの小品 OP11》については、ピアノに関してはタッシ盤の方がいいと思うが、弦楽器に関してはクラメラータ盤の方がニュアンスの表出で1枚上手のように思う。録音はクレメラータ盤の方がいい。

・「タッシ プレイズ メシアン・タケミツ・ウェーベルン・ストラヴィンスキー」(BMG BVCC8899-8900)

OP27,OP7,OP11,OP22

タッシ(P・ゼルキン(Pf),ストルツマン(Cl),カヴァフィアン(Vn)他)

2曲が上記CDとダブッている。こちらは室内楽だけでなく《ピアノ変奏曲 OP27》も入っている。2枚組でメシアン《世の終わりのための四重奏曲》、武満《ピアノ作品集》、ストラヴィンスキー《兵士の物語》他が収録されており、これらもいい。

演奏については、室内楽はクラメタータ盤を参照されたいが、《変奏曲 OP27》については、後述のポリーニ盤と比べるとやや神経質な感じを受けるが、間の扱いは絶妙である。

・「ストラウィンスキー 《ペトルーシュカ》他」(ポリドール POCG3593)

OP27

ポリーニ(Pf)

これはカップリングされた曲がすごい!

タイトル曲の他に、プロコフィエフ《戦争ソナタ》、ブーレーズ《第2ソナタ》。

今世紀のピアノのCDを選べといわれたら、このCDは欠かせない。

演奏については、確信に満ちており音も美しい。

これ以外にも、グールドで2種(SONY 54年、64年)、セット物で「新ウィーン楽派のピアノ曲集」高橋悠治盤(DENON)がある。後者は同曲以外に番号の付いていない曲が4曲収録されており、2枚組で新ウィーン楽派のピアノ作品が揃ってしまうので、新ウィーン楽派のピアノが好きな人には一番いいかもしれない。演奏については未聴であるが、まず間違いないと思う。

MMウェーベルンを語るへもどる

投稿者 iida : 2003年10月23日 23:59

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.greengrape.net/cgi-bin/MT/mt-tb.cgi/858

コメント

コメントしてください




保存しますか?