
6.指揮者として
ここに1枚のCDがある。
・「ベルク《ヴァイオリン協奏曲》」他
ルイス・クライスナー(Vn)ウェーベルン指揮 BBC交響楽団他
ロンドンでのベルク追悼コンサートでのライヴ録音
そう、ウェーベルンは指揮者でもあった。しかし、最初はその仕事があまり好きではなかったが、生活のためやむをえず指揮者をしていたという話もある。
シュティッティンの劇場、ウィーン勤労者交響楽団、同合唱団、オーストリア放送の常任指揮者を務めるとともに、ドイツやイギリスのオーケストラの指揮もおこなった。
リハーサルも彼の作品のように、かなり細かく厳しい指示を出していた。完璧を目指すあまり、細かいことにこだわりすぎて本番前に気分が悪くなり、指揮台に立てなかったことも1度や2度ではなかったようだ。それでも常任の地位にあったということは腕前はよかったのであろう。その証拠として前掲のCDが残されている。音はかなり悪いが、ここで聴けるものはベルクのヴァイオリン協奏曲の真の姿ではないだろうか。
アドルノはウェーベルンはマーラーの最も真正な指揮者であったと書いている。ミニアチュアの作曲家があの長大なマーラーの曲の・・・ちょっと意外な気もするが、これは是非とも聴いてみたかった。
ナチスによって指揮者を解任されなかったら、それは可能であったかもしれない。
ただただ残念である。