3−2. 私の聴き方

ウェーベルンに限らず新ウィーン楽派の音楽は一部の曲を除いて、繰返し聴かないと面白さはわからない。耳に馴染ませることが必要である。中でもウェーベルンの場合は、途中で作風が大きく変わっているので、前期の作品と後期の作品では聴き方を変えた方が楽しめると思う。

一般にコンサートでよく演奏される曲目は前期の作品が多いのに対し、トータル・セリエリスト達が注目したのは後期の作品である。今後も後期の曲が普及する可能性については、残念ながら悲観的にならざるを得ない。

前期の作品は響き、音色、緊張感等に特徴がある。また、作品番号を追うごとに薄れていくものの伝統音楽の形骸が残っている。そんな中で特に響き、音色の変化を楽しむ。これには苦労しない。なんといってもストレートに耳で聴くだけである。あとは感性が合うか合わないかだけである。

後期の作品は前期の作品にみられた特徴は後退する。響き、音色は単調になるかわりに透明度は増し構造は見通しが良くなる。重なり合った響きから孤立した水晶のような音になる。それなりの魅力はあり、耳で聴くだけでも十分楽しめるが、今度は頭で聴いてみる。断片化された旋律を頭の中で組み立ててみる。また、十二音技法の基本である基本形(原形)、反行形、逆行形、反行形の逆行形等を理解することで謎解きを楽しむことも可能になる。ただこれは結構疲れる。

理解を助けるための参考書としては

作曲家別名曲解説ライブラリー「新ウィーン楽派」(武田明倫、諸井誠他)音楽之友社刊

この本は3人の作曲家の主要曲についての解説が1冊にまとめられており、新ウィーン楽派が好きなら持っててもいいと思う。値段も内容からいったら良心的だと思う。

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