シェーンベルク
(Arnold Schoenberg 1874-1951)

0.シェーンベルク 豊かな音楽的想像力

 シェーンベルクはすでに崩壊していた調性を目のあたりにした。調性が崩壊するということは音楽が聴きにくくなるだけでなく時間の統一体でもある音楽の構造の無意味化をも意味している。シェーンベルクはこの調性の崩壊という局面に対し表現主義という、作品の形式よりも内面の表現への欲求を大事にする方法論をとり、傑作をものにした。しかし、作曲家の内面そのものを音楽にするという極度の精神的緊張を強いるので作曲は非常に困難であり、形式がないということは作曲はすべてその場でてさぐりだったという。

「私としては、まるで波浪の逆巻く大洋に落ち込んだように感じておりました。しかも泳ぎ方もそこを逃れ出る他の方法も知らずにです。私は手と足を働かせてベストをつくしました・・・。私はけっしてあきらめませんでした。というのも、どうして太洋のまん中であきらめることができたでしょうか?」(シェーンベルク、C. ローゼン著、武田明倫訳、岩波現代選書、1984)

 この作曲方法を整理し理論的にまとめたものが12音音楽とよばれる。12音はよりシステマチックに無調であるのだがシェーンベルクは明解で透明な音楽へと帰っていく。しかし、この方法が人工的にみえようともシェーンベルクは今日に至るまで演奏する価値の有る傑作を生みつづけた。それらの音楽は決してシステマチックには聴こえない。彼は表現をするためにこの方法をあみ出したのだから。「表現の深さは特定の手法を必要としない」

 シェーンベルクはつねに自分が何を語ったのかということだけを聴いてほしいと願っていた。シェーンベルクその人は音楽は中からあふれてくる人だったらしい。湖を歩きながら朝一曲作曲してしまい、あとはすっかり楽譜に書き記すだけだったという。

「音楽は魂の発現であり、その支配力は、魂のあらゆる発現を支配する力に等しい。」(1998/12/09)

1.生まれから調性作品まで(1998/12/26)

2.無調のとばり

3.無調時代の代表曲

4.iidaの無調の曲のとらえ方

5.新ウイーン楽派の形成

6.シェーンベルクによる編曲

7.12音音楽によるドイツ音楽への伝統へのつらなり

8.12音による表現主義の作曲 シェーンベルクはシェーンベルク

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