クセナキス追悼

Author: iida <romanesque@mac.com>

2001/2/7 記

 クセナキスは私のすきな作曲家の一人。あまり詳しく知らないが、本で読んで印象に残った知識をまとめておく。覚え間違いもあるのとおもうが許してほしい。

 彼はいくつか私に影響を与えた。

 クセナキス氏は1922年ギリシア生まれで第二次世界大戦ではフランスでレジスタンスをした。わかいころ建築家としても働き、ル・コルビジェのラ・トゥーレット修道院(フランス リヨン郊外)の光の波動面(だったと思ったが)を設計。等比数列に偶然的なわりこみをいれた縦線をいれた面を作成している。

 音楽家としてのキャリアは、メシアンにそういう数学のテクニックを駆使して作成した音楽をみせるもメシアンに直されることなく、独創性を認められ作曲活動を開始。

 Metastasis, Pithopraktaなどのオーケストラ作品で音楽界を騒がした。

 Metastasisの冒頭では弦楽器のグリッサンドをまとめると包絡線をえがきつつ上昇するように作成してあり、トーンクラスターというかおそるべき強度を持つ。またオーケストレーションなどの楽器の位置と音の移動に音の遠近法を取り入れ、また音の分布そのものは統計力学に従うように作ったようだ。これはポアッソン分布のような比較的単純なモデルを利用したようだ。

 また、コンピュータグラフィックの絵から音をつくるようなこともIRCAMあたりでやっていたらしい。

 彼の音楽は他の作曲にはとてもまねできない独特のものがある。アナロジー的な言い方がまったくできない。先が読めないし、音は共鳴を誘発するスープのようでもあるし突発的な事象でもある。私は彼の音楽をきくといつも勇気付けられる。もっともっと目の前に可能性があることを示されているかのようなのだ。

 私のようなのんびりした性格に衝撃だったのは彼が「人のいうことをうけいれるときには一つ条件を提示してうけいれる」ということである。ちなみにこれを世間でやると喧嘩になったこともあるので注意。彼は世界各地の研究所をまわって基金を得て作曲していたのでレジスタンスに加え世渡りの猛者である。

 また、高橋悠治氏は彼のもとに「音楽しましょう」とかいって弟子入りしたとか。彼がクセナキスの音楽を演奏したのをみたときは、すごく驚き感じ入ったことがある。

 クセナキスがテレビでギリシア哲学について語っていたのは印象的だった(間違いがあったらしいけど)。

 クセナキスの私の所有するCD は2枚

harmonia mundhi:

  EONTA, Metastasis, Pithoprakta/M. Le Roux

Erato, Ultimate:

  Thallen, Jalons, Phlega, Keren, Nomos Alpha, Naama, L'ile de Goree, Khoai, Komboi

一枚目はオーソドックスな曲が収録されている。Eontaの高橋悠治氏の驚くべきピアノを聴くことができる。始まって2分くらいでピアノに管楽器がつぎつぎと絡んでくるところが印象的。

 二枚目はアンサンブル・アンテルコンタンポランやアンサンブル・クセナキスで多彩な音響をきくことができる。有名どころはチェロ独奏のNomos Alphaあたりか。わたしが今回かけて印象的だったのはハープシコードを用いた曲のNaamaであった。

 御冥福をお祈り申し上げます。

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 高橋悠治氏によるクセナキスの解説

 ディスコグラフィ

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