ロマネスク教会の建築と彫刻

番外編:セセッション

Q: セセッションにいくとなにがあるか?

A: クリムトのベートーベンフリーズがある。ベートーベンの音楽は今日では当時の演奏方法を再現されロマン派の演奏様式をとりはらった演奏がされている。少し前に親しんだフルトベングラーのベートーベン解釈やひょっとしてマーラーの感じていたベートーベンというのはこのベートーベンフリーズに見ることができるかもしれない。しかし、このベートーベンフリーズは撮影禁止だったので、ここではヨーゼフ・マリア・オルブリッヒの設計(1897-1898)による分離派館のロマネスクチックだと思う要素をピックアップして見てみよう。

 遠くからながめると小さくなった塔ニ本がたっておりその間に金色のボールがおいてあることがわかる。これは月桂樹の透かし彫りになっている。

 どこか教会ににている。バシリカ形式の古い記憶に埋もれた教会に。

 御覧のとおり金を多用しゴージャスに繊細に造型していることがわかる。壁面の装飾にはもう一枚壁面を張り付け立体感を出させている。

 建物に植物のつるが這い葉が生い茂るのである。私のようにロマネスク建築を愛好しているものには共通するモチーフを感じてしまう。

 後ろから見たところ。やはり教会の作りによく似ている気がする。金色のボールは四隅でとめられているようだ。

扉はクリムト作なのだがあけると装飾が見えない。。。

 3人の人面はゴシックというかグロテスクというか。

 その下には絵画、建築、彫刻(Malerei, Architektur, Plastik)と書いてある。

 当時エルンスト・シュティールは展覧会のカタログのために「まず統一性のある空間を創造し、その空間構想に基づいて絵画と空間を装飾することになった。このとき着目すべきは、所与の状況、すなわち限定された範囲内で、個を全体に従属させることである。この冷徹な論理によって、空間としての特徴が強調され、主導理念が浮き彫りとなる。」

 まるでフォションがロマネスクについて語っているのをそのまま持ってきたかのような文章です。

 扉の脇上方にはとかげがはっている。このとかげに装飾性がつよくなくユーモラスに見える点もロマネスクを感じてしまう。ゴシックならもっとごついとかげ-壁面のガーゴイユみないな-であるだろうからだ。

 それにしてもとかげの皮膚が妙にリアルに処理してあるのはなぜだろうか?

 正面には亀に支えられた大きなおわんが二つ。植物が植えてあったのかカメなのかは失念しました。家人が寒そうにこちらを見ています。「ちょっといつまで写真とってるの〜」

*写真はクリックで大きくなります。

 内部のベートベンフリーズは入って左の地下ホールにある。このフリーズの主題はなんだろうか。芸術と愛による「弱い人間」の救済であるという。ベートーベンを思い出しながら見るべきだろうか?この空間で私に聴こえるベートーベンはフルトベングラーのベートーベンであり、カラヤンであり、今日ではアバドやムーティの演奏するロマンティックベートーベンだった。いずれにせよ、このような建築がたてられたころは建築だけでなくて、ウィーンは保守的でかつ過激に前衛だった。ウィーンは燃えていた。私の好きなシェーンベルクやベルク、ウェーベルンといった新ウィーン楽派臨時サイト)の時代はもうすぐだ。

2000/01/30 作成

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