ヒエロニムス・ボッシュ「最後の審判」
ウィーンの造型美術アカデミーにはヒエロニムス・ボッシュ「最後の審判」がおいてある。祭壇画になっているが、これは観音扉になっていて、我々のみなれている仏壇のようなものだ(ほんとか?)。
ここに描かれている絵はほんとにユニークで有名なのでみなさんもよく御存じだろう。ロマネスクやゴシックの表現方法を見てくるとほとんど違和感無しに見ることができる。
私は彼の絵はロマネスク・リバイバルの一種ではないかと思っていたが、J. バルトルシャイデス「幻想の中世I」(平凡社ライブラリー1998年、原著1981年)を読むとそうではないようだ。当初私が思っていたのは、彼の絵はゴシックではなくてロマネスクであるのは、ゴシックでは集中して地獄絵や怪物がかかれるわけではなく、それらのモチーフは教会のといだとか塔にのっていたりして拡散して配置される。一方、ボッシュの怪物達はつねに画面を構成するように置かれ人間が容易に認識できるサイズに配置されそれぞれが機能をもっているからだった。結論をここで考える前にともかく見ていこう。(写真はクリックで大きくなります)
ボッシュが上のような絵をかいていた時はもうゴシックも終わりに近付き冷徹非常なルネッサンス理性が自らが真実だとうなり声をあげはじめていたころではなかったか。ルネッサンスでは怪物のようなものはもはや描かれないのだ。
ボッシュは理性的な世界よりも土着的な歴史の意識の中に居続けた。彼の絵が不穏だとか無気味だとかいうのだが、そんなことはない。彼はごくごくオーソドックスなことをしていただけのように思われる。ただし完成度のたかさというか作品の存在感は抜群である。
次回は中央のキリストと左の天国をみてみよう。
2000/02/12 作成
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