2:ウィーン美術史美術館

 美術工芸品の中世部門にあった中世様式の理解を促す典型的な作品を紹介しよう。解説はウィーン美術史美術館全部門総合ガイドによった。なお、ウィーン美術史美術館は膨大な美術品のコレクションを保有しており、ブリューゲル「雪中の狩人」、ラファエロ「草原の聖母」ベラスケスの「ブルーのドレスのインファンティン・マルガリータ・テレサ」などはそれこそ某芸術大学のキャッチフレーズ「教科書で見たことあるでしょ」というような作品。ロマネスク好きのわれらは教科書にのってないものが見たい!というのが正しい。また壁面装飾にはクリムトの筆になるものもある。1999/11/20訪問。

ヴェネチィア 13世紀末

墳墓装飾

石棺を飾るレリーフの一つで死者が復活の時に出合いを願ったキリストは中央の玉座に腰掛けている。玉座を支えて宙にうかぶ天使はビザンツの昇天場面から引き継がれたモチーフだという。

 さてこのキリストの両側に天使のモチーフ。以前紹介したシュテファン大聖堂のタンパンと同様です。もう一つはサン・ジュリアン・ド・ジョンジーですね。ビザンチンのオリジナルモデルはみたことありません。

南イタリアの角笛 11世紀

中世時代狩りの角笛として広く普及していたものだそうだ。模様に注目してほしい。唐草模様の中に鳥が図案化されている。そして両端の幾何学ふうな模様。どれをとっても中世風の模様だ。

南イタリアの角笛 11世紀

 角笛の両側に帯状の装飾が施され、狩りと動物の闘いが描かれているもの。この美術館には上記の角笛とあわせて2点展示してあった。

 この角笛の中間部分は文字が刻まれていて、ハプスブルク王朝の始祖ルドルフの祖父アルブレヒトはこの角笛に聖遺物をつめ1199年スイスのムリ修道院に寄進したそうだ。1702年修道院長の寄贈によってふたたびハプスブルク家に戻ったという。

この角笛の模様実は私のお気に入りで上の写真はコンピュータのデスクトップにしているくらいである。

 中世初期の人物や生物は目に特徴がある。ギロッとした愛嬌のある目は中世をくだるにつれふつうの目になっていってしまうのである。

 そしてもう一点。ぶどう唐草紋に気がついたでしょうか。このページのバックグラウンドの模様もぶどう唐草です。ところが私のページのぶどう唐草は飛鳥の岡寺の瓦にきざまれた模様なんですね。日本にもこの模様ははるばるもたらされ、洋の東西ともに彫刻家などのデザイナーに刺激を与え続けたのです。もちろんヨーロッパでの葡萄はキリストの体の象徴ですから日本とはことなるのですがこういったことがあり得るということ事体に私は興奮を覚えます。世界は一つ、といったところでしょうか。このことは図式的に飛鳥時代とロマネスク初期の対比を私にさせてしまうのです。

角盃 12-14世紀ごろ?

 こんなんで一杯やってみたいと思わせる逸品。ビール?ワイン?どっちが似合うかな?

 バロックとかの装飾様式はあの時代だけかと思っていたのですがヨーロッパの種族の古代から伝わる装飾にかける意気込みは絶えず高いままだったのですね。

ピュースターリッヒ

北イタリア12世紀前半

 水をみたし火にかけると口と鼻から蒸気が吹き出るそうだ。これが日用品か実験用品かは不明だそうだ。

 これのどこをみてもヨーロッパらしくない彫刻だ。むしろアフリカのプリミティブアートを思い出しはせぬか。

 ヨーロッパがキリスト教にであうころこれらの表現形態をもっていたがそれらは融合ののちにむしろ固体の表現としてはギリシャ・ローマ路線に覆い隠されていくのである。しかし装飾は絶えず彼等の血が流れていて表にでるのをうかがっているのである。

*写真はクリックで大きくなります。

2000/1/10 作成

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