人魚
人魚はギリシア神話にでてきているように人間を誘惑して破滅させるのである。なぜそんなものが教会に彫られているのか?誘惑に対する教訓なのか?残念ながら今私にその調査をする時間はない。せめて話題提供に画像をまとめてみた。
ミラノの市美術館にあったもの。 中央に人魚があり、2尾でそれぞれ手で握りしめている。その左右には犬かライオンか。
ミラノからフランスのベズレーに飛ぼう。ベズレーの彫刻室(右身廊奥)にも人魚がこちらを見つめて私たちを誘惑している。なかなかグラマーで、石の彫りも深く建造物のアウトラインに密接して彫られている。これがフォション先生提唱の枠の法則か。 ミラノはランゴバルト地方で、フランスのブルゴーニュとは離れている。しかし、ブルゴーニュのロマネスクはクリュニー派の中心地であり、ミラノから関係者が派遣されたようであり、そのためか類似の彫刻モチーフが多いような気がする。
今度はフランスからスペインのリーポイ(Ripoll)に飛ぶ。猿のしかめ面と共に人魚は柱頭で微笑む。 Moriさん提供の画像である。
Moriさんコメント:あばら骨の辺りがちょっとエグい気がします。
これらはスペイン・カタルーニャ地方のリポーイ(Ripoll)の旧サンタ・マリア修道院の回廊にあります。この修道院の画像が充実しているHPがありますので、よかったら見てみて下さい。(下記URL)
http://www.davinci-systems.es/ripoll/index.htmさらにスペインを移動しよう。あたかもベズレーの人魚と近親関係にありそうな人魚が我々を見下ろしている。遥かな岩礁から誘惑しているのである。人魚のテーマは誘惑で、シトー派をいかにもおこらすようなテーマではある。 これもMoriさんにいただいた画像である。コメントを紹介しよう:アビラはスペインのカスティージャ・イ・レオン地方にあり、見事に保存された12世紀の城壁に囲まれていることとサンタ・テレサの町として知られています。ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会にあるベルニーニの彫刻「聖女テレサの法悦」のテレサであると聞いたことがあります。
下記URLに城壁の写真などがあります。
http://www.terra.es/personal/jmh00005/
人魚の彫刻はバジリカ・デ・サン・ビセンテにありました。
http://www.cyberspain.com/ciudades-patrimonio/fotos/aviigl.htm
Avila-1:外部側面の彫刻。小さく写っていますが、2尾の人魚が自分の尾を握っているのが分かります。
人魚の彫刻モチーフはイタリア、フランス、スペインと広くあらわれ、それらはかなり類似している。2尾でそれぞれの尾を手で持ち上げている。あたかも一枚のオリジナル画像がコピーされたかのようである。
一方、人魚自身の伝説は地球上に散らばっているようである。現在はその正体はジュゴンだといわれているが、ここでは私たちの詩的想像力とその系譜に興味がある。引き続き画像情報があれば是非提供いただければ幸いです。