オータンの紹介もほとんど終わりかけです。ヴェズレー、オータンと図像が増えだんだん図像学的分類もしたくなってきますがここは一つ日曜ロマネスク愛好家ということで各論を終わらせてしまいましょう。今回は有名なエジプト逃避を紹介します。
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悪徳と美徳 悪魔の上にたつ二人。悪魔は金の袋をもっている。 巨大な植物に注意。 |
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神とカイン(アダム?) この図はまことにオータンらしい。人間のくねり具合と植物のくねり具合がアンリ・ルソーばりの巨大植物郡の中で振動しているのだ。 |
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教会献呈 教会を作った職人から聖職者に教会を渡しているそうです(Autun cathedral by D. Grivot) |
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鳥と戦う小人 らしい....(Autun cathedral by D. Grivot) |
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3本の首をもつ怪鳥。悪魔をあらわしているそうです(Autun cathedral by D. Grivot)。やまたのおろちのヨーロッパ版でしょうか。 |
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これぞ有名なエジプト逃避 ユダヤのヘロデ王が自分の未来が新たな王(キリスト)によってうばわれるのではないか、という恐れを抱き、2歳以下の幼児皆殺しを行った。 そのときにマリアには天使があらわれエジプトに逃げろという。
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ヨセフはすっかり召し使い扱いである。徒歩でロバを導いている。 ピンぼけですいません。 |
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銀塩カメラで撮影したもの。 ヨセフはまるで騎士の軽装のようないでたち。マリアは横座りで左腕でキリストを抱えている。マリアの安全なエジプトにはやくつきたい気持ちと前方の安全を伺う気持ちが見事に表情に彫り込まれている。このときのヨセフの気持ちは? マリアとキリストは玉のようなものを握りあっている。キリストは正面を向いている。足がでかすぎますな。 それはともかく、キリストにはあまりリアリティはない。 ロバは左前足をあげ笑っているかのようである。フランス人はアルタミラ洞くつで走り回る見事な動物を彫っていたのに、ことこのロバでは後ろ足は硬直し、石器時代とは図像学的伝統はたたれていることがわかる(汗)。 道が米俵のように見えるがなんだろうか? 背景の葡萄のような植物がオータン独特なものであることに注意。服には細かにひだが彫り込まれ、また装飾も十分にされていることを御確認ください。 この像とよく比較されるのはソーリューのものだろう。オータンの影響が顕著である。またモワサックのポータルにも同主題がある。 |
オータンの彫刻は見事にオータンらしいまとまったものであることがわかっていただけでしょうか。エジプト逃避は有名なモチーフであるのに加え、オータンのこの彫刻はロマネスクが紹介される時にかならず紹介されるものです。
逆にこのオータンらしさは、ヴェズレーらしさや、モアサックらしさや、サンジールらしさではないという意味でもロマネスクが各地域の個性が強く出ているといわれる所以でしょう。
1988年の山本君の旅行日記