オータン−サンラザール<フランス・ロマネスク ロラン美術館の紹介

オータンのサン・ラザール隣のロラン美術館の紹介

その1

author: iida

post: 2001/8/25

ロラン美術館はブルゴーニュ公国の大書記官ニコラ・ロランの15世紀の館にある。ここではロマネスク彫刻では有名なイヴをお見せしよう。

(写真はクリックで大きくなります)

 イヴは中庭をへて中世のセクションにいくと見られる。撮影は別料金が必要。

 イヴは10年前にも見ているのだけれどすっかりわすれてしまっていて、かなり大きくて驚きました。

 髪をまん中でわけ右手をほほにそえりんごをまさにとろうとしています。目や眉がきちんと彫られています。また頭髪の刻みはタンパンと同じ様式になっていることがわかります。

(キヤノン 一眼レフ)

 

 イヴはもともとは大聖堂の北扉口のラントーの浮き彫りでした。1130年頃の作品。

 木々はちゃんと垂直に生えているのに対し、彼女は泳いでいるかのように横たわり進んでいるように見えます。

 このポーズを枠の法則で説明するする向きもあるけど、私はそれは説明ではないと思います。

 そもそも植物のスケールと彼女の体のスケールがまるで違ってます。

(キヤノン 一眼レフ)

  全体像は顔と腰は同じ向きなのだけれど上半身だけはこちらにひねって彼女の胸をあらわにしています。上半身ごと仰向けではこの空間のなかでボリューム感がなくなるかな?

 こういうポーズはエジプトの人物画を横倒しにしたように見えます。タンパンにはこの向きの人物はいません。

 木々はくねり、生き物のようです。そのリズムと彼女のゆらゆらとただようなリズムはとても合っているように見えます。

 デュビー先生(ヨーロッパの中世 藤原書店)によれば「彼女は魅惑的でもあると同時に罪深い女性でもあり、そのことを自覚してもいる。」とのこと。

(ニコン デジカメE900)

 一方、フォション先生はその先行する著作「ロマネスク(1938)鹿島出版会」において、「とりわけロマネスク芸術に満ちているあの不安げな実の動きを表現することはできないであろう・・・この場合は、できる限り数多くの点で枠組みと接触するという規則が用いられる。その各部分がさまざまの方向に向いた軸によって構成されている身体は、枠組みの外縁と、肘、肩、膝、踵などによって接しており・・・ロマネスク建築というどっしりとした安定した量塊に刻まれて、その不動性そのものの中に永遠の動きをただよわせている・・・絶えず運動性を探究する実験のように見える・・・このイヴの姿態は魅力に溢れており、この偉大なロマネスク時代の最も女性的な像といえようが、またこの上なく危険な罠を秘めた姿ででもある」

 フォション先生にあってはロマネスクは絶えずモニュメンタルなもので量塊でなければならず、装飾彫刻は枠にはまってないといけないのである。もちろん原著によくある正当化はオンヌクール氏の引用で行っている。

 私としてはこの横倒しにした像を作った人の受けた批判やそのときの議論を想像してしまいます。何故って、横倒しの像は他にないということはあまり評判よくなかったと考えるからです。そう考えると彼女は絶賛され過ぎかもしれません(汗)。

 ともかく、このすぐれた作品をじっくり味わって下さい。

(ニコン デジカメE900)

 かなりローマ古代遺跡風の彫刻、特に人物にみられるが中世のセクションにあったので中世のものだと思います。

 教会正面左右パネルの列柱に見えます。サンラザール改築の廃棄品でしょうか。

 こちらは角柱パネルのようですね。左にある唐草模様や、右側の線にまで抽象化された唐草模様に注目下さい。

 右の顔面はローマ風、その左はキリストを受け渡ししているのかな?としたら神殿奉献で向かって左がマリア、右がシメオン。

 あとは天使の像がいくつかと、左下はなにかな?船にのった人とやりをもった男と動物。

 その上の妙にすらりとした生足も気になる。

1988年の山本君の旅行日記

2001年8月25日作成


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