今回は考古学博物館の目玉の一つ、いや二つを紹介する。サンベニーニュのタンパンが2つあるのだ。これは保存状態がよく、ロマネスク後期初期ゴシックの特徴をあますことなく表現している名作である。惜しむらくは教会に再配置されていないことだ。

 柱頭の角には悪魔風のものがいてそこから牙がながーくながーくくるくるとはえ、その先端は中央で花となっている。

 これは渦巻き模様と唐草文様が合体してできたような柄で、やはり中央の先端は左側のものは男の顔、で右側のものは動物の顔である。

 くるくるまわっているのは筋がでっぱっているが植物の蔓のようである。葉は様式化されているが葉脈が中央に一本残し、アクセントとしている。

 左側が破損しているが一対の鳥である。ぶどうをかじっているように見える。

 この柄は文様化されているように見えるが、また装飾的である。たとえば、鳥の上を枝をのびている。このことが全体のデザイン

ところで私はこの枝につく葉はモワサックのポーチにあるイザヤの頭の上にある葉とよく似ているように思う。

 サン・ベニーニュのタンパンの一つ目。

 主題は「最後の晩餐」

 ところが11人しかいない。だれがかけているのだろうか?ユダが立ち去ったあとでもキリストをいれて12人いる必要がある。

 ぱっとみてわかるようにタンパンの半円にちょうどおさまるように構図をつくっており「枠の法則」に忠実である。この法則に忠実なあまり中央人物の背が高くひきのばされている。一方両端の人物はすわる椅子そのものが低くなっており食卓すれすれの顔の高さである。

  人物の顔はみな四角で目は窪んでいないのでかつては彩色されて目も入れられていたのだろうか。

 衣服はベズレーにみられるような渦巻き模様もなく、むしろ直線的なひだである。テーブルのひだも各人に対応させて描いてある。

 

 中央はキリストで手にパンをもっているようだ。向かって右のキリストによりかかっているのはヨハネか?(サン・ジール・デュ・ガールのまぐさ「最後の晩餐」の山本氏の論文参照)

 人物の背景は波線で抽象的な表現である。

 この下にうずくまる男がユダだろうか?

 キリストが裏切る者を預言するとき、 「わたしが一きれの食もつをひたして与える者がそれである」といったからである。

 また中世では悪の人物を描く時は横顔だという話を読んだことがあるが、それも関係あるだろうか?

 この写真では洋服のひだの様子がよくわかる。また人物の頭髪やヒゲ

 むかって左端。

 一番左の男はテーブルの布をもっている。

 鳩か?サンタンブロージョの教会内柱頭に注目。

 中世当時のサンベニーニュ。

まわりにぶどう畑がひろがっていた。今は市街地になっている。

 塔や建物の高さのわりにベイが短いのでプラン決定後ロマネスク様式の途中からゴシックっぽく改築されていったのかもしれない。

 さて二つ目のタンパンである。

 主題はわかりますか?

 「栄光のキリスト」である。この種のタンパンについては先に解説を書いたので、一般論はこちらこちらを見てほしい。

 キリストはマンドルラといわれるものにおさまっているがこれではまるで布に囲まれているようである。天使4人がそれをもちあげていて、その外側に4福音記者がいる。ちょうどこの関係はモワサックのタンパンとは逆になっている。またサン・ジュリアン・ド・ジョンジーのタンパンでは天使2名である。

 キリストも天使も衣装のひだがぶあつくもたついているように見える。

 4福音記者なので聖書を手にもつ牛(のようなもの)である。つのが生えててわかりやすい。

 かなり写実的に彫り込まれている。牛の上にいるべき鳥(のようなもの)は壊されている。

 向かって左側には天使(のようなもの)と獅子のようなものが描かれている。

 かなりリアルである。ロマネスク後期かゴシック前期であることがわかる。

 

2001.03.18 記

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