コンク/Conques
サント・フォワ教会/Sainte Foy
3.地獄
ロマネスクのころ(11〜12世紀)はキリスト教は愛の宗教というよりは恐怖の宗教という側面を持っていました。つまり、紀元1000年には実際に最後の審判がやってくると考えられ、その日のために財産を寄進しなさい、善行を積みなさい。と説いていたのです。これは1000年期後もしばらく後をひき、キリストは審判者である表現が多いようです。もうすこし時代が下ってゴシックになると聖母信仰や幼いキリストという表現がメジャーになってきます。
コンクのタンパンの地獄部分の全体を見てみましょう。写真はクリックで大きくなります。
左端上に写っているのがタンパン中央のキリスト。キリストの上下には4人の天使がいます。
またキリストの右側にはもうすこし大きな天使がやはり4人いて、本、やり、裾が三つに別れた旗、手提げかご(?)をそれぞれもっています。その右側には地獄図。
そして下にやはり屋根がありその下に中央には大王サタンが罪人の一人を踏み台にして玉座についています。
この踏み台の上に権威筋のものをのせるのは洋の東西をとわないようで、日本でも仏像の12神将などをおもいうかべさせます。このような構図はバルトルシャイディス氏によって中国起源であることが示されています。
地獄の入り口はこの地獄の家(?)の向かって左かわにあります。怪物の開いた口がわかると思います。罪人たちはそこに飲み込まれれ地獄にはいります。これはレヴィヤタン(トマスホッブスのリヴァイアサン)という鰐の形をした怪物でヨブ記に出てくるそうです。ケルトの写本にも同様の表現がありますね。
地獄の大王サタン(左)
(以下はクリックしても大きくならない画像です。)
乗馬からつき落とされているのは「傲慢」くさび帷子が彫られています。
ユダのように首に金袋を下げて首吊りにされているのは「吝嗇」。しかも下から蛇にひっぱられている。
そして「淫楽」は鎖で繋がれた男女。
最後に地獄部分からふたたびキリストに視線をもどしましょう。(この画像はクリックすると大きくなります。)いかがでしょうか。上で説明した特徴的な図像が目にはいるでしょうか。
というわけでマール氏にしたがって図像表現をみてきました。マール氏の本は非常にうつくしく説得力に富むのですが私にいわせるとこのコンクのセクションは視線が散漫でタンパン上をあちこちにとびまわる上に話題があちこちにそれインフォメイティブではないのでこのようにまとめてみました。
ところでこれらコンクの地獄図をみているとコンクというのは困苦という感じがぴったりだと思うのですが、いかがでしょうか?
最後はコンク内部と柱頭彫刻です。
飯田 記 2000/5/3 改定 1997/8/30 追記 1997/9/7, 9/12