厳島神社
厳島神社の創建は推古天皇で、現在の規模は平清盛だというから8百年まえということになる。有名なのは満潮干潮に洗われる鳥居だろう。このころヨーロッパではロマネスク教会がつくられていた。それらを比較してみるのも面白いかもしれない。
ヨーロッパのロマネスク教会は参議など世俗とは独立した教会組織によって作られたが、日本の寺院の多くには時の権力者の名が刻まれるように思われる。平安時代くらいでは政治的権力者である天皇が宗教的権威であり、仏教を神々のひとつとしてとりこんできた経緯があるからか。また、平清盛のような世俗権力者でも仏道に帰依し(形だけのようだが)出家という制度があったことと無縁ではないと思う。
建築様式は典型的な寝殿造りだという。左右対称の作りで、非常に雄々しい印象をうける。類似の建築に宇治の鳳凰堂を思い出すが、鳳凰堂のほうが華奢であり、細部まで贅沢である。こちらはシンプルだが周囲の空間にとけこみ建築物の外にいてもわれわれに空間をあたえてくれる稀な例である。
そして寝殿造りは水との一体化を要求したが、ここほどそれが自然と溶け合っった自然との一体感がすばらしいところはないだろう。海と山の境界にあり、神殿は海の干満にあわせて水の上と陸の上という両方のフェーズをとっているのである。ロマネスク教会で有名なのはSt. Michelがある。残念ながら私はいってない。
建築内部は回廊のようになっており、複雑に折れ曲がった通路には柱がたちならび、まるで古代ローマやギリシアの遺跡を思い出させる。これには興奮してしまった。さすがにアーチ形式は輸入されなかったか。これは素材の問題かな。ここではヨーロッパのほぼ同時代に作られたモワサックの回廊の写真をリンクしておこう。この柱の比較をするとこの厳島神社の柱はずっと古代のアルカイックなものに属することがわかる。
ロマネスクでは気になる柱頭彫刻などは厳島神社にはなかった。また、はりにもほとんどなにも刻まれていなかった。神殿中央にはわずかにシンボルマークが朱に緑であしらわれていた。
灯籠をみるとやはり紋様がある。私はこの手の紋様が大好きなのだ。鳳凰に花。この花は極楽にさくという花(名前忘れてしまった。だれかおしえてください)かな?
私の好みとしては鳳凰を長く描いてほしいところ。なんだかこの鳥ちんまりしてません?ほかにも灯籠の写真の上のすかしとか、こま犬(男女のシンボル付き)や獅子なども写真におさめておいたのでいずれまた。
このような紋様としてロマネスクのものと比較してほしい。ただしこの神社の灯ろうはなんとなく江戸時代臭い。この紋様の比較はもうすこし写真をつかってみてみたいとおもっているので機会があれば是非また。
(1998/12/14訪問&15記 18追記)