山本君の京都・奈良旅行記 1989/4
(イラストは山本君画 写真は飯田撮影1999/7、五重塔ははがきより転載)
駅からバス停へ行く間にしとしと雨が降り出す。室生寺行きのバス停はちょうどバスが出るところであった。自動販売機でしるこを買って飲む。あと緑色の雨傘を400円で買った。この辺の田舎までは修学旅行の学生もこないから、いたって静か。観光客とおじさん、おばさん連れが多い。大野寺のあたりはしだれ桜や、えにしだがとてもきれいだった。帰りによってみたいと思う。
国宝、平安前期、檜皮葺き、三間の須弥壇だから、当初は三体の佛が祀られていたはず。
薬師如来像(伝釈迦如来)榧材、一木造、古様(薬壺[やくと]をもたない)の薬師如来。肉身部黒漆塗(もと黄土彩)。法衣表、ベンガラ彩。同裏緑青彩。衣褶に切金線(中国唐代の彫刻、現在のものは後補)。板光背、七仏薬師、唐草文等を彩画。
蓮華八重卒
板光背像中の最古例
右手施無畏、左手、与願
肉身の起伏を強調する衣文線-こまかい平行な弧線
蓮波式、複翻波式
幅広くとった大波の部分にのみを入れて凹面にする。衣文の彫は浅いが稜線はするどい。稜線にそって切金をおく。両脚はそれぞれ大腿部から膝や脛にかけて一つの大きな曲面で構成された膝がどの位置にあるかはわからない。
表面の装飾的処理を大きな目的としている。
光背は檜板を中央ではぎ合わせ。頭光と身光の輪部を一段高く彫る。
板彩飾光背の他の例
奈良岡寺本尊如意輪観音
東寺西院不動明王
唐草文様は葉先の一部が火焔の様に燃えたつ。つるの部分には金箔がおされてる。
葉は繧繝様式(赤-緑、橙-青)
天平時代は輪郭を朱とするのに室生寺佛は白とする。これは中国の新しい影響か?
光背基部の光脚が蓮弁ではなく、宝相華 → 古様
金堂右端の地蔵菩薩 同期の作の光背
衣文はよくわからなかったが、繧繝彩光の光背は確認できた。絵画的にかなり価値があるものだろう。唐草が火炎状になったり、巴形になっていて、単なる装飾をこえた宗教的情念の躍動感を表現している。当初はもっと華麗なものだったろう。
十一面観音は、下ぶくれの顔で彫法も本尊とは作風が異なる。モデリングもぽてっとした感じ。
弥勒菩薩立像 木造、檜材、
宝冠、光背は鎌倉
釈迦如来座像 翻波式衣文(平安時代 国宝) 一木、檜材、螺髪、光背、台座、欠損
五十嵐君と再会す。室生寺五重塔はかなり小さい。雨にけぶって写真撮影は不可能。山を降りて茶屋で昼食をとる。親子丼。彼は当麻寺に言ってきたという。彼も来年建築史で院をうけるらしい。桜井駅まで一緒に行った。桜井駅で別れて時間を見たら三時三十五分だった。法華堂に間に合うだろうか。