<<ツールーズにて>>

 ツールーズへの旅は文字どおりにロマネスク巡礼の旅となった。本来、日本から送ったアイソトープ化合物が共同研究者であるH博士の所に到着して、一通りの実験結果が出た段階で訪問するように手配をしていたのだが、品物がこちらに到着するまで予想外に時間がかかってしまい訪問の前日にようやく到着したとのこと。

 議論する材料がない。結局H博士とのサイエンス話は早々に切り上げ、ロマネスクの話題に移っていった。彼はツールーズ生まれのツールーズ育ち。しかもサン・セルナン教会の近くの小学校に通っていたという。この町をこよなく愛し、よく隅から隅まで知っていた。1日彼と一緒に町中を歩き回りながら色々説明してくれた。観光地だが英語の説明ガイドなどはないお国柄、非常に幸運であった。

<サン・セルナン教会>

 ツールーズの街の顔はまさにサン・セルナン教会である15分ごとに教会の鐘がなる。ホテルでみた航空写真によるとこの教会は完全に十字架型である。教会の鐘堂は5層からなり下3層はロマネスクで半円アーチ。上層は後から訪れた聖ヤコブ教会と同じ様式で三角状アーチである(画像62)、こちらの方はゴシックとガイドブックには紹介されているので、これまた混在型である。頂上部の尖塔は後代のものであろうがあまり好みではない。

 煉瓦と石よりなる建物はデザイン的に美しいがそのモザイクは一部歪なところがある(画像80)。おそらく世紀を通じての修復がなされたせいであろう。だだし上層部の煉瓦造りは美しい。

 とりわけ身廊外部は簡素であるが美しい。比較的新しい建築によるからだろうか(画像66)。

 後陣部は明らかに煉瓦と石のモザイク美を意識して造られたことが良く判る(画像63)。 


 街中から教会に向かう道からはこの後陣と塔とが最初に目に入ってきた。

 周囲は歩いて450歩、ゆっくり歩くと5分程かかる。西側はまさしくロマネスクを感じる。やや武骨である(画像69)。不釣り合いに大きな薔薇窓は後期の建造であろうか?


後半に続く

1999/7/22 by Hiroshi