"F"の音楽レポート
マウリツィオ・ポリーニのシュトックハウゼン演奏会の視聴記
その1
1998/5/11、サントリーホールへポリーニを聴きに行きました。
その1は、コンサートの状況から。
コンサートは、プログラム変更のお知らせから始まった。
最初の予定では、オール・シュトックハウゼンプログラムだったのだけど、当日、次のように、変更された。
F.Liszt
灰色の雲 Nuages gris
凶星! Unstern!
悲しみのゴンドラ1
Die Traueruguondel1
リヒャルトワーグナー ベネツィア
Richard Wagner Venezia
A.Schonberg
6つのピアノ小品 Op.19
K.Stockhausen
ピアノ曲5番、9番、
少年の歌(テープのための)
コンタクテ(テープのための)
ピアノ曲10番
開演と同時に、ポリーニが通訳を従えてステージへ上がった。そうして、本日のプログラム変更について、かれの口から説明がなされる。大体、次のような内容。
シュトックハウゼンは、20世紀の最も重要な作曲家の一人であり、彼の音楽を知ることは、現在の音楽(最近の現代音楽?)を考える上でも、大変有効なことだと考える。
しかし、彼の音楽だけでは、現代音楽の変遷を知ることは不可能だ。そこで、19世紀末から、20世紀にかけてのピアノ音楽の中から、シュトックハウゼンのピアノ曲への、いわば”架け橋”となる、(無調への先駆けとなる)作品を冒頭へ置くことによって、プログラム全体をより展望しやすくした。
シュトックハウゼンの曲、「少年の歌」、「コンタクテ」は、テープによる音声のみで、ポリーニは演奏しない。
また、ステージ上に雛壇があり、そこには、約50名の音大生が着席している。
(以下、当日配られた「お知らせ」より)
これは、同氏が欧米各地でのリサイタルで親しんでいる環境を日本でも整えることによって演奏により集中できること、また、1995年のブーレーズフェスティバルで独奏した際に偶然ステージ上にオーケストラのメンバーが残っていたことが、音響上も同氏の満足のゆく結果になったことから実現した。音大生がステージ上に着席したのは、、従来ポリーニ氏が行ってきた「青少年のためのコンサート」の趣旨を踏まえたものである。
こうして、私が普段接している「ピアニストのリサイタル」とはいささか外れた状況で、演奏がはじまった。
その2(1998/6/1ごろ掲載)