"F"の音楽レポート
12音音列について
その3 音列とテーマ 一般論
iidaの質問:12音音列はメロディにならなくてもよいとどこかで読んだのですが、どういう意味なのでしょうか?
に答えて
12音音列が、曲自体の主題とはならない(メロディーではない)。これについて説明するには、まず主題やメロディーとは何なのかを考えてみるとよいと思います。
私達が音楽を聴いて、それが主題だと認識する手がかりとして重要なのは、主題を形作る音列間の音程関係と、リズムだと思います。
特に音列間の音程に特徴が見られる場合だと、その特徴さえとらえればリズムが変わり、調性や和音進行が変化してもそこに主題を見つけることは困難ではありません。
或いは音程に少しの変化が生じても、特徴的な音程が残っているとすればそれは主題の変化だと気づくことができます。
ベートーヴェンなんかだと、3.4音で特徴的な音程関係を作ってるので、一曲中での主題の応用はすさまじいものがあります。
12音音列の場合、最初の音階づくりの際にこの音程関係をきめるのですが、12音全ての音程関係を、テーマやメロディを作るように決めているわけではありません。
12音音列の中に、テーマが内包されるのです。
ここが説明の難しいところなんですけどね。
主題やメロディーの重要要素が音程関係であると考えた場合、まず12音音列では、音程がそのままの形で、まるごと使われることはないのです。
たとえば、
C,D,F,G
という音の並びがあるとして、最初の場面では、
C3,D2,F2,G3,
(数字は音高表示)となっていたものが、次の場面では
C2,D3,F4,G2,
となるのはほぼ当然のことです。
音列の使用順序が固定されているため、音程に変化(音程も固定されているため、展開するしかないのですが)をつけなければ、単調に陥ってしまうからです。
聴いてみるとわかるのですが、前述のC,D,F,Gのような単純なものでも、上に行くか下に行くか、或いは1オクターブ以上離すか近場に移動するかにより、全然違った雰囲気を持ってしまいます。
これでは、主題の役割を成すとは言えません。
これがピアノ曲や合奏になると、今度はその上に和音を構成する音もでてきます。つまり、12音音列が音列のままの流れで使用されるのは、非常に稀なのです。
(続く)
次回
音列とテーマ ウェーベルンのピアノソナタop 27では
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